【2023年度最新】ものづくり補助金とは?概要についてわかりやすく解説します!
ものづくり補助金とは?
対象となる中小企業が経営革新のための設備投資等に使える補助上限額750万~5000万円、補助率1/2~2/3の補助金です。補助を受けるには経営革新のために取り組む具体的な内容や数値目標などの事業計画書を作成、申請し、採択される必要があります。
ものづくり補助金の概要
ものづくり補助金の対象者・目的
ものづくり補助金の対象者
ものづくり補助金の対象者は、日本国内に本社および補助事業の実施場所を有する中小企業等経営強化法第2条第1項に規定される中小企業者です。つまり、下の表の資本金と常勤従業員数のどちらかが表に示す数字以下となる企業が対象となります。
業種 | 資本金 | 常勤従業員数 |
製造業、建設業、運輸業、旅行業 | 3億円 | 300人 |
卸売業 | 3億円 | 100人 |
サービス業 | 5000万円 | 100人 |
小売業 | 5000万円 | 50人 |
ゴム製品製造業 | 3億円 | 900人 |
ソフトウェア業、情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 |
旅館業 | 5000万円 | 200人 |
その他 | 3億円 | 300人 |
例えば、製造業の場合は、資本金3億円・常勤従業員数300人となっています。したがって、製造業の場合は、資本金が3億円以下もしくは常勤従業員が300人以下であればものづくり補助金の対象者となります。
他にも、組合・法人、特定事業者などは対象となる条件が異なるため詳しくは公募要領をご確認ください。
ものづくり補助金の目的
ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者が働き方改革、賃上げ、インボイス制度などの制度変更等に対応するため、革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い、生産性を向上させるための設備投資等を支援することが目的です。
ものづくり補助金の申請枠・補助上限・補助率
ものづくり補助金の申請は、後述する基本要件を満たす事業計画を策定し、申請枠を選択し応募します。申請枠によって補助金額や補助率が違います。以下の表に申請枠の内容をまとめました。
表からわかるようにほとんどの申請枠が経営革新に必要な設備・システム投資を支援するもので申請枠ごとの違いは経営革新の目的にあります。それによって補助上限額と補助率が変わります。
また、大幅な賃上げに取り組む事業者に対しては表の補助上限額に100万円~1000万円を上乗せする特例もあります。
ものづくり補助金の申請方法と注意点
ものづくり補助金の申請方法と注意点
補助金申請は電子申請システム(GビズIDプライムアカウント)を使って行います。GビズIDとは、法人・個人事業主向けの共通認証システムで様々な行政サービスにログインすることができる仕組みです。申請に使用するGビズIDプライムアカウントは、会社代表や個人事業主向けで行政サービスを無制限で利用できます。しかし、1週間ほどの書類審査が必要なため補助金の申請期限に注意してアカウントを取得しなければなりません。
申請の際に提出する書類は、事業計画書・補助経費に関する誓約書・賃金引上げの誓約書・決算書等・従業員数の確認資料・労働者名簿に加えて申請枠や事業規模によってそれぞれの確認書類が必要になります。
事業計画書とは、基本要件を満たし、具体的な取組内容や数値目標などを3~5年の事業計画をA4で10ページ程度にまとめたものです。
事業計画書は以下に示す基本要件を満たす事業計画の策定する必要があります。
ものづくり補助金で採択されるためのポイント
ものづくり補助金で採択されるためのポイント
ものづくり補助金は、申請の際に提出する事業計画書が審査され優れた評価を得ることで補助金交付候補者として採択されます。
そのため、採択されるためには審査項目を理解し、優れた事業計画書の作成が重要になります。審査項目は、取り組み内容の革新性や技術力などの技術面、市場ニーズや費用対効果などの事業化面、地域経済への影響やニッチ分野を牽引できる潜在性の有無を見る政策面の3つがあります。
上記の3つの他に申請枠によっては審査項目が追加されます。例えば、グリーン枠では、炭素生産性向上の取組等の妥当性。グローバル市場開拓枠では、遂行能力や国際競争性の有無などを審査されます。
また、審査項目の他に加点項目というものがあります。前述した、基本要件(最低賃金や給与支給総額の増加や被用者保険の適用拡大など)に関する項目や創業5年以内、パートナーシップ構築宣言を行っているなどの政策に関する項目などがあり、項目の条件を満たすことで加点されます。
ものづくり補助金の採択事例
ものづくり補助金の採択事例
採択事例の1つ目は、産業用機械の構成部品を加工する企業です。
顧客から短納期、高精度、電子データの利用を要望され、対応するために数値制御機能を備えた最新の機械を導入しました。新規導入した機械を従来の機械と比較したところ、加工時間が半分ほどに短縮することができ、表面の粗さ精度は目標を大きく上回る仕上がりを達成しました。また、電子データを利用することで従来の機械で発生していた時間ロスや入力ミスによる不良品の発生が少なくなりました。
この企業では、補助金による設備投資を行うことで高精度かつ効率的な生産体制の構築でき、量産と短納期試作品の製作の両方を強化していく共に、付加価値の高い組立品の受注増加や自社製品の事業化などを目指しています。
採択事例の2つ目は、自動車のリサイクル事業に取り組む企業です。
通常、自動車のリサイクルは有用な部品を回収した後にプレスして裁断し、焼却又は埋め立て処分する流れになっています。しかし、この企業ではプレスしたものを製鋼材料として電炉メーカーに納入するなどしてほぼ100%のリサイクルに取り組んでいます。しかし、既存のプレス機のプレス時間が遅くなり6分かかってしまいプレス後の工程が暇になってしまったり、プレスの圧縮力が弱まりプレス後のサイズが大きくなり保管スペースをとったりと生産性が悪化してしまいました。そこで、ものづくり補助金で新しいプレス機を導入しました。新しいプレス機はプレス時間が3分、圧縮力が強くなったことで生産性を向上させました。
この企業では、自動車のリサイクル事業を促進させることで脱炭素化社会やSDGsなどに貢献すると共に、リサイクルした自動車部品をユーザーへ安価に販売することで自動車のリサイクル事業の普及にも力を入れていくそうです。
おわりに
ここまで設備投資に活用可能な「ものづくり補助金」について概要をお伝えいたしました。
ものづくり補助金は期間を空けることで複数回申請する可能な補助金であり、金額も大きいことから有効活用によって事業の幅を拡大することができます。
しかし、計画書の作成やその後の手続きなどが煩雑であることを理由に諦めてしまう事業者様は少なくありません。
当社はこれまで製造業者としてものづくり補助金を4回活用させていただいたことから、多数の実績がございます。
また、多数の事業者様のご支援を行っている実績から、申請から報告まで手厚いサポートで業界最低水準の報酬にてご支援いたします。
先ずはお気軽にご相談ください。